大邦機電オフィシャルブログ

「立つために座るイス」開発日記

「立つために座るイス」開発日記

ご無沙汰しております。大邦機電のタナアミです。

この度弊社は「立つために座るイス」の開発をスタートさせました。
開発日記と題して、完成までをブログで発信していこうと思います。

さて、「立つために座るイス」ってなんだと思いますか?

椅子は本来、座るためにあるものです。
しかし、私たちが造っている椅子は、立ち上がるために使う椅子です。

福祉機器の世界では「昇降椅子」「昇降座椅子」「起立介助椅子」なんて言われたりもしています。
座面部分が昇降し、立ち上がりをサポートしてくれる椅子です。

実は40年程前に弊社でも、立ち上がり補助の昇降椅子・昇降便座を
開発・商品化していましたが、市場規模と価格帯の関係で製作・販売を中止している状況でした。

そんな中、再び昇降便座(昇降椅子のトイレ版)の開発をさせていただく機会があり、
その際に「現在市販されている商品よりも高く昇降する椅子」の要望をいただいたため、
この度改めて開発を進める決意をいたしました。

今は、コロナの影響でユーザーの皆さんとお会いすることもなかなかできず、
更には、HCR(国際福祉機器展)も開催中止となってしまったので、
オンライン上にアンケ―トを作成し、ユーザーとなり得る方たちに声を寄せていただくことにしました。

アンケートの展開先は、以前、昇降便座を購入いただいたユーザーのTさんに相談し、
Tさんが所属されている患者団体(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの方たち)や情報交換コミュニティに展開していただいています。

アンケートの次なるステップとしては、
アンケートの回答結果を元に、オンラインで障害者当事者とご家族の方のコミュニティにて座談会を開催し、皆様の要望やご意見を伺う予定です。

ユーザーの声から製品を開発するということには、
簡単なようでとても難しく、覚悟が必要だと改めて感じています。

これからも開発までの記録を発信していきますので、見守っていただけますと幸いです。